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ZINEの作り方

ZINEを初めて作る人向けに、テーマ決めから構成、印刷前の試作まで基本の流れを整理しました。

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更新日:

著者: カクヨムオクル編集部

ZINEは、きれいに作ることよりも、まず形にしてみることと相性のいい媒体です。大きな設備がなくても、紙とペン、のり、はさみ、ホチキスがあれば始められます。

最初の一冊は、正解を探すより、いま気になっていることを小さく閉じ込めてみる感覚のほうがうまくいきます。

CanvaやPowerPointで作って、セブンで刷って、ホチキスで閉じるところから始めたいなら、先に『まずは作ってみる』を見るのがおすすめです。このページは、その先でもう少し全体像を広く掴みたい人向けにまとめています。

このページでは、まず全体の流れをつかめるようにまとめています。印刷、紙、製本、綴じ方を詳しく考えたいときは、途中のリンクからそれぞれのページに進んでください。

まず決めること

内容は大きなテーマでなくても構いません。最近考えていること、好きな場所や街の記録、写真と短い言葉、日記の抜粋、観察メモ、手紙のような文章など、今その人が気になっていることのほうが面白くなることがあります。

テーマがまだぼんやりしているときは、先に「誰に読ませたいか」ではなく「何を残したいか」から考えると進めやすくなります。誰かに説明するための本でも、自分のための記録でも、ZINEとしてはどちらも自然です。

たとえば、旅の記録なら日付順に並べる、写真集なら色や場所でまとめる、文章中心なら短い章をいくつか置く、というように、内容に合う並べ方を先に決めると制作が止まりにくくなります。

  • 何について作るか
  • どのくらいの長さにするか
  • どんな形で読ませたいか

作り方の基本的な流れ

短いZINEほど、どこに何を置くかで読みやすさが大きく変わります。いきなり本文を書き始めるより、表紙、導入、本文、奥付、裏表紙の役割を先にメモするとまとまりやすくなります。

ページ数は、最初から多くしすぎなくても大丈夫です。8ページ、12ページ、16ページくらいの小さな冊子でも、テーマがはっきりしていれば十分に読みごたえが出ます。中綴じにする場合は4の倍数で考える必要があるため、構成を決める段階でページ数も一緒に見ておくと安心です。

印刷前には、必ず一度紙に出して読んでみるのがおすすめです。画面では気づきにくい文字の小ささ、余白の狭さ、写真の暗さ、ページの順番の違和感は、紙にしたときに見つかりやすくなります。

まず一冊をとにかく最後まで作りたい段階なら、『まずは作ってみる』のような最短ルートから入るのも有効です。

  • テーマを決める
  • ページ構成をざっくり決める
  • 文章、写真、イラスト、コラージュ素材を集める
  • 手書きかデジタルかを決める
  • 一度仮で出力して試作する

はじめて作るならおすすめの形

1枚から作るミニZINEは気軽に試せて、最初の一冊に向いています。小さい判型なので文字は大きめにして、情報を詰め込みすぎないのがコツです。

少しページ数を増やしたいなら、中綴じの冊子型が扱いやすいです。エッセイ、写真と文章の組み合わせ、複数人で作るZINEなどにも向いています。

もっと本らしい厚みを出したい場合は、無線綴じやリング製本も選択肢になります。ただし、はじめての場合は作業の手間や入稿条件が増えるため、まずは扱いやすい形で一冊作りきるほうが流れを覚えやすいです。

形ごとの違いは『ZINEの製本方法』と『ZINEの本の閉じ方』にまとめています。冊子としての開きやすさ、背表紙の有無、左綴じ・右綴じの考え方を決めたいときは、先にそちらを見ると選びやすくなります。

作るときに気をつけたいこと

見開きを見せたいなら中綴じ、しっかり本らしくしたいなら無線綴じ、配布や試作なら1枚ものや簡易製本、というように形との相性も考えるとまとまりやすくなります。

本文の文字は、画面でちょうどよく見えても、紙にすると小さく感じることがあります。特にA6以下の小さなZINEでは、行間や余白を広めに取り、1ページに入れる情報を絞ると読みやすくなります。

写真やイラストを多く使う場合は、紙の種類でも印象が変わります。つるっとした紙は写真の発色が出やすく、ざらっとした紙は手触りや雰囲気が出やすいです。紙で迷ったら『ZINEの紙の種類』を見て、内容に合う質感を考えてみてください。

  • 中綴じの冊子は4の倍数のページ数が基本
  • 小さい判型では本文を思っているより大きくする
  • 内容に合わせて綴じ方を選ぶ

印刷方法を選ぶ

印刷は、大きく分けると自宅やコンビニで作る方法、オンデマンド印刷、オフセット印刷があります。

まず試したい段階なら、自宅プリンターやコンビニコピーで十分です。1冊だけ作って手で折ったり綴じたりすれば、完成形のイメージをかなり具体的に確認できます。

10部、20部、30部くらいを販売やイベント用に作るなら、オンデマンド印刷が使いやすいです。必要な部数だけ作りやすく、増刷もしやすいので、はじめて外注するZINEとも相性があります。

まとまった部数を作る場合や、写真や細かい絵柄を安定して出したい場合は、オフセット印刷も候補になります。ただし、部数が少ないと割高になりやすいので、販売数の見込みがある程度立ってから考えると現実的です。

印刷方法の違いは『ZINEの印刷方法』にまとめています。色のズレやかすれを味として使いたい場合は、『リソグラフ印刷と活版印刷』や『ZINEの特殊印刷』も参考になります。

外注印刷を使うとき

外注印刷は、仕上がりを安定させたいとき、一定の部数をまとめて作りたいとき、手作業の時間を減らしたいときに向いています。

一方で、印刷所ごとに入稿形式、最小部数、紙の種類、納期、対応している製本方法が違います。注文前には、作りたいサイズ、ページ数、綴じ方、カラーかモノクロか、納品希望日を先にメモしておくと比較しやすくなります。

2026年4月時点で候補にしやすい外注先は、少部数ならちょ古っ都製本工房やしまうま出版、中綴じ冊子ならプリントパックやスプリント、紙や加工までこだわるなら羽車、リソグラフの風合いを使いたいならレトロ印刷です。

おすすめは、安さだけで決めるよりも「今回のZINEで何を優先したいか」で選ぶことです。文字中心なら読みやすさと価格、写真中心なら発色、手触りを出したいなら紙、作品集として残したいなら製本の強さを優先すると選びやすくなります。

外注する前には、できれば1冊だけ試作して、ページ順、余白、文字サイズ、写真の明るさを確認しておくと安心です。印刷所によっては試し刷りやサンプル請求ができる場合もあるため、本番の前に紙と色を確認しておくと失敗を減らせます。